「過去」を変えることができるのか?

「マチネの終わりに」という映画を観ました。
この映画では、「過去」を「未来」によって作り替えることが出来る。ということが主題になっていると思います。

主人公が、「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は未来は常に過去を変えているんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去はそれくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」と言っていました。

私自身は、「過去と他人は変えられない。未来と自分と変えられる。」というエリック・バーンの言葉が好きだったのですが、この映画を観て確かに「過去」を変えることが出来るのかな。と思いました。
正確には、「過去」の記憶を変えられる。ということだと思います。
もう少しわかりやすく言うと、「過去」にまつわる感情を未来が変えるということなのかなと思います。

 原作と映画では、多少設定が違うところがありますが、映画の方がこの主題をよりわかりやすくしていると感じました。
原作を読んでから映画を観ると、ちょっと違うんだけど!と思うことがしばしばありますが、この作品は映画の方がある意味良いのではないか。と思いました。
映画での登場人物は、皆良い人になっています。
原作では、ちょっとひどいんじゃないかと思う主人公のマネージャーも、映画では主人公のことだけを考えて行動した人になっていて後味が良いです。
脚本を井上由美子さんが書かれているので、さすがだなと思います。

 原作では、いろいろな内容が盛り込まれていて、主題以外にもいろいろ考えさせられます。
「運命」とは何かとか。
映画も原作も是非楽しんで下さい。