大腸内視鏡を行うと、しばしば憩室を認めます。
憩室というのは、腸の壁が外側に膨らんでいるもので、憩室出血や憩室炎の原因となり得ます。
今回、大腸憩室症ガイドライン2026を基に少し勉強した内容をメモ程度に書きたいと思います。
〇日本での大腸憩室保有率は約20%で増加傾向にある。
〇排便回数が多い人や下痢・軟便傾向のある人で大腸憩室症の頻度が高い。
〇大腸憩室保有者が大腸憩室出血を発症する割合は0.2~1%程度、大腸憩室炎の発症率は7年で1.0~4.3%。
〇大腸憩室出血が一旦止血された後の再出血率は、1年後で19~35%。
〇膿瘍・穿孔を伴わない大腸憩室炎の再発率は1年で5~10%、5年で10~20%。
〇無症候性大腸憩室症、大腸憩室出血は60歳以上に多く、大腸憩室炎は40歳以上70歳未満に多い。いずれも男性の割合が多い。
〇無症候性大腸憩室症は飲酒、喫煙がリスク因子である。
〇大腸憩室出血は、飲酒がリスク因子となり得る。
〇大腸憩室炎は、低食物繊維や赤身肉の摂取、肥満、体重増加、喫煙、飲酒、加齢、運動不足もリスク上昇と関連する。
〇大腸憩室炎は、果物(リンゴ・梨など)や穀物からの食物繊維、ゴボウ茶の摂取がリスク低下と関連する。
〇膿瘍・穿孔を伴わない大腸憩室炎に、抗菌薬を投与しないことを提案する。
※従来大腸憩室炎で、抗菌薬投与を行われてきました。
最近、抗菌薬を投与してもしなくても予後が変わらないという報告がなされるようになり、ガイドラインでもそのような記載になっています。
当院でも、最近は明らかに軽症と判断できる大腸憩室炎には抗菌薬を投与せず経過をみています。