宇都宮市医師会の理事になりました

このたび、宇都宮市医師会の理事になりました。

第2、第4水曜日の6時半から医師会にて、役員会が開かれ、そちらに行かなくてはなりません。

通常は、受付時間が6時までとなっていますが、第2、第4水曜日に関しては5時45分までとさせて頂きます。

ご理解とご協力をよろしくお願いします。

事務の白衣を一新しました

昨年夏から、看護師の白衣を変えたのですが、事務の白衣を今回一新しました。

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花柄がちょっとしたアクセントになっていてかわいらしいです。

ちなみに、ローラアシュレイというブランドの白衣です。

事務さんは、もっといます。この日の朝に、いる人に集まって写真を撮らせてもらいました。

 

高血圧治療ガイドラインが改訂されました

知っている方もいるかと思いますが、高血圧治療ガイドラインが改訂されました。
高血圧症の定義は変わらない(収縮期血圧140/拡張期血圧90mmHg以上)ものの、目標値が従来より厳しめに設定されました。
合併症などのない成人の目標値が140/90mmHg未満から、130/80mmHg未満になりました。

 

患者さんに説明すると、目標値がころころ変わられても困るとか、何で変わるんですか。など戸惑われているようです。
実際、説明する医師の側も正直戸惑っています。

 

では、なぜガイドラインが見直されて、変更されるのでしょうか。
世の中には、製薬メーカーの陰謀だ!と主張されている人もいますが、違います。
それは、新しい研究成果がどんどん出るからです。
血圧がこの位の方が生命予後が良くなる、または合併症などのイベントが少ない。などの研究結果がどんどん出され、そのうち信頼が高いものを中心に、ガイドラインが策定されます。
最新の研究結果で、最善策を提示しているわけです。

 

ガイドラインには、薬物療法だけでなく、生活習慣の修正についても触れられています。おおまかには、
1.食塩制限6g/日未満
2.野菜・果物の積極的摂取
3.適正体重の維持:BMI 25未満
4.運動療法有酸素運動
5.節酒:エタノールとして、男性20-30ml/日以下、女性10-20ml/日以下
6.禁煙

です。


医者としては薬を出したいわけではないので、生活習慣の修正で目標血圧を維持できればそれにこしたことはないです。

みなさん、頑張りましょう。

"隠れ脂肪肝"が危ない

先日、NHKスペシャルで「隠れ脂肪肝が危ない」という番組が放映されました。

私は見ていなかったのですが、患者さんからの反響が大きく見たいなと思っていたところ、患者さんがDVDにコピーしたものを持ってきてくれました。

ここでは、
1.検診などの採血では肝機能異常を認めない人でも脂肪肝の人がいる。
2.脂肪肝から肝硬変、肝臓癌になることがあるので注意が必要である。
3.脂肪肝からの脱却のためには、食事、運動が大事である。
4.食事としては大豆が良い。
5.運動はまず筋トレを行ってから有酸素運動をすると良い。
との説明であった。

脂肪肝の診断をフィブロスキャンという肝臓の硬さを調べる検査で行っていましたが、通常は腹部超音波で診断することが多いです。
腹部超音波で脂肪肝の診断が出来ない例があるとの説明があり、確かにそうだと思うのですが、フィブロスキャンの精度はどの程度なのかなと気になりました。
どなたか知っていたら教えて下さい。

いままで、肝障害の中ではC型肝炎B型肝炎が大事でした。
治療が進歩し、内服薬の投与でほとんどC型肝炎ウイルスが消せるようになりました。
B型肝炎も母子感染が減り、新規発症が減っています。
発癌の原因としては、長らくC型肝炎がトップでB型肝炎が2番目でしたが、最近は脂肪肝脂肪肝炎からの発癌が増え2番目の原因になっていると推測されています。
脂肪肝の母数が増え続けており、今後も脂肪肝炎からの肝がん発症は増えると予測されています。

このような背景があり、肝臓専門医の間でも関心はC型肝炎B型肝炎から脂肪肝脂肪肝炎に移りつつあります。
ただ、脂肪肝脂肪肝炎の厳密な区別は侵襲的な検査である肝生検をしないといけないこと。脂肪肝脂肪肝炎の良い薬物治療がないことからもどかしい思いを抱えているのが実情です。
結局、食事と運動が大事ということに行き着いてしまいます。
脂肪肝炎の治療法も現在開発中とのことですので、早く市場に出て脂肪肝炎からの発癌が減ることを願っています。

花粉症の薬

花粉がだいぶ飛んでいるようです。
花粉症の薬を欲しいという患者も増えてきました。

例年より、花粉の量は多い予測となっています。

 

今回は、花粉症の薬について書いてみます。
まず、基本の薬は抗ヒスタミン薬というアレルギー薬になります。
第一世代と眠気などの副作用を減らした第二世代がありますが、ほとんど第二世代が使われています。
CMでも有名なアレグラやアレジオン、クラリチンなどがあります。

 

これを、私の独断で分類してみます。

まず、内服の回数が、1日1回か2回か、眠気の起こりやすさが、全く起こらないもの、ほとんど起こらないもの、あまり起こらないものの3つに分けます。
さらに、ジェネリックがあるもの、ないものに分けます。

 

眠気が基本的には起こらないもの(添付文書で車の運転に注意などの文言がないもの)は、ビラノア、クラリチン、アレグラです。
1日1回のものは、ビラノアとクラリチンで、ビラノアはジェネリックがなく、クラリチンジェネリックがあります。
1日2回のものは、アレグラで、ジェネリックがあります。

 

眠気がほとんど起こらないものはたくさんありますが、隣の薬局で処方できるもので、1日1回のものは、
ザイザル、エバステル、デザレックス、アレジオン、ルパフィンです。このうち、ジェネリックがないのは、ザイザルです。
1日2回のものは、タリオンで、ジェネリックはあります。

 

眠気があまり起こらないもの(人によっては起きやすいもの)のうち、1日1回のものは、ジルテックで、2回のものは、アレロックです。
2つともジェネリックがあります。

印象としては、アレロックは一番効果が強い様に思いますが、人によっては眠気がでます。
ジルテックも効果は強いですが、眠気はでやすいです。これらは、他の薬でき気が悪かった時や以前使ってみて眠気が起こらなかった方に処方します。

 

クラリチンはちょっと弱い印象があります。ビラノアは効果もそこそこあって、眠気が起こらないので良いのですが、食事の影響を受けるので、食前か就寝前に内服した方が効果は高いです。
アレグラは1日2回ですが、眠気が起こらない、ジェネリックがある、知名度が高いなど使っている人も多いかもしれません。

眠気がほとんど起こらない薬は、だいたいの人には眠気が起こりませんが、中には眠気がでる人もいてちょっと注意が必要です。初めての処方では2週間以上出すのは合わない可能性があり、難しいです。
デザレックスはメーカーの問題で現在販売休止中のため、使えません。
いずれにせよ、その人に合う薬を見つける必要があります。

 

ちょっと変わった抗ヒスタミン薬として、血管収縮剤の混ざったディレグラとステロイドの混ざったセレスタミンという薬があります。
ディレグラはアレグラに血管収縮剤が混ぜてあり、鼻づまりにかなり効果があります。
食前なのと1日4錠なのと錠剤が大きいのがネックです。
セレスタミンは根強い人気がありますが、ステロイドが入っているため、内服は最小限にとどめておいてもらいたい薬です。
ステロイドにはいろいろな副作用が起こりえます。
セレスタミンは第一世代の抗ヒスタミン薬がベースなので、第二世代の抗ヒスタミン薬と併用することができます。どうしても、辛い時用の薬になります。

 

このほかに、抗ロイコトリエン拮抗薬というアレルギー薬があり、抗ヒスタミン薬で十分鼻づまりのコントロールが出来ないときに併用して使います。
キプレスとシングレアは一般名がモンテルカストという同じ薬です。このほかにオノンがあります。いずれもジェネリックがあります。
キプレスとシングレアは1日1回1錠です。オノンは1日2回、1回2錠飲む必要があります。

これ以外に、人によっては点鼻薬、点眼薬を併用してなんとかコントロールをすることになります。

耳鼻科では、このほかにもレーザー治療や減感作療法などをやっているクリニックもありますので、処方だけではコントロールできない場合は耳鼻科受診が良いかもしれません。

 

この季節をなんとか最小限の辛さにとどめて生活できると良いですね。