ピロリ除菌で大腸がんリスクが低減

ピロリ除菌で大腸がんリスクが低減したという論文がありましたので紹介します。

 

まず、前提としてピロリ感染と大腸がんのリスクとの間に正の関連があることが報告されているとのことで、そもそも私はこの事実を知りませんでした。
勉強不足ですね。
そうであれば、除菌すると大腸がんのリスクが低減できるか。に興味がわきます。

 

論文著者は、VA San Diego Healthcare SystemのShailja C. Shah氏らで、雑誌はJournal of Clinical Oncologyです。

 

対象は、1999~2018年にアメリカの退役軍人健康管理局でピロリ検査を行った退役軍人です。


主な結果は以下のとおりです。

・ピロリ検査を受けた81万2,736人のうち、陽性は20万5,178例(25.2%)であった。
・陰性群と比べて、陽性群では大腸がん発症リスクは18%高く、死亡リスクは12%高かった。
・除菌治療を受けた群と比べて、治療を受けていない群では大腸がん発生リスクは23%高く、死亡リスクは40%高かった。

 

簡単にまとめると、ピロリ陽性未治療群は大腸がん発生リスク、死亡リスクとも高く、除菌群でリスクは下がり、陰性群が一番発症リスクも死亡リスクも低かったということです。
除菌によって、胃がんのリスクだけでなく、大腸がんのリスクも下げられるとのことですね。


ピロリ陽性の方は是非、除菌を検討してください。
なおご存じの方も多いと思いますが、保険適応上ピロリの検査・治療は胃カメラが必須になります。